公明党東京都本部(高木陽介代表=衆院議員)は11日、都内で記者会見を開き、6月23日(金)告示、7月2日(日)投票の東京都議選に臨む重点政策を発表した。重点政策は、「都民とともに『東京改革』」を断じて成し遂げるため、15分野53項目を掲げた。記者会見には、高木都代表のほか、同本部の長橋けい一幹事長(都議選予定候補=豊島区)、東村くにひろ幹事長代行(同=八王子市)、たちばな正剛副幹事長(同=板橋区)、まつば多美子女性局長(同=杉並区)が同席した。

幼児教育を完全無償化 受動喫煙の防止へ屋内禁煙の条例制定も

記者会見で高木都代表は、都議選に臨む重点政策について、「多くの課題が山積みされている中、公明党東京都本部として、都民とともに『東京改革』というスローガンを掲げ、政策を断行していきたい」と強調。公明党が誇る国、都、区市町村議員のネットワークを生かして、「東京の隅々まで目を凝らしながら、現場に即した課題を吸い上げ、重点政策を練り上げた」と語った。

重点政策は、三つの柱で構成。2020年東京五輪・パラリンピックの成功や安全・安心のまちづくりなどに向け、15分野53項目にわたる政策を掲げた。

一つ目の柱の「『安全・安心』先進都市・東京へ―2020東京大会をめざして」では、人にやさしいまちづくりや、交通ネットワークの整備などの政策を盛り込んだ。

原則、屋内全面禁煙とする罰則規定のある「受動喫煙防止条例」の制定をめざすことや、都立盲学校の最寄り駅といった視覚障がい者の利用が多い鉄道駅のホームドア整備の拡充などを明記した。

二つ目の柱の「『誰もが生き生き』希望都市・東京へ―生活者の現場から」では、子育てや高齢者、若者、教育に対する支援策のほか、医療・障がい者福祉の充実などを盛り込んだ。

宿泊型の産後ケアセンター(現在9カ所)を各区市町村に拡大することや、全都立・公社病院で病児・病後児保育の実施、住み慣れた地域で入所できる地域密着型特別養護老人ホームの増設などにも取り組む。

このほか、国が段階的に進めている幼児教育無償化の完全実施と、食育の観点から、小・中学校給食の無償化を掲げた。

三つ目の柱の「『新たな活力』前進都市・東京へ―被災地とともに」では、小規模事業者や被災地の支援策などを盛り込んだ。

この中では、創業希望者と後継者不足で悩む小規模事業者をマッチングする「後継者バンク」の創設、商店街の空き店舗を活用して新たに起業したい若者や女性に対して家賃補助制度を導入、東京産農畜産物のトレーサビリティ(生産から消費までの流通履歴が分かるシステム)の確立とブランド化の促進などに全力を挙げる。

また、議会改革では、都が策定する総合(長期)計画を議会の議決事項にするとし、「通年議会」の導入も掲げた。

小池知事「連携し勝利めざす」 相互推薦予定候補を発表

東京都議選での相互推薦予定候補者を発表し、小池都知事と推薦状を交わした高木都代表(5月11日、都内)

公明党東京都本部と小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」(野田数代表)は11日、東京都議選について、相互推薦予定候補者を発表した。都内で高木陽介都本部代表と小池都知事らが、共同で記者会見した。

11日発表された公明党と都民ファーストの会の相互推薦は、公明党の予定候補全23氏を、都民ファーストの会が推薦。公明党は、都民ファーストの会の予定候補16氏と、同会推薦の無所属予定候補3氏の計19氏について第1次推薦を発表した。さらに、同会が今後、新たな候補者を擁立した場合、追加で推薦を予定している。

記者会見で小池都知事は、今回の相互推薦に関して、「公明党は議員報酬の縮減などで大胆なリード役を務めてもらった。公明党と都民ファーストの会が連携することで、議会改革が大きく進むと期待している。連携しながら(都議選の)勝利をめざす」と強調。

また、相互推薦の効果について「改革の志で連携できる公明党と都議会における橋頭堡を築くことで、都民が望んでいる、さまざまな改革がより進むことになる」とも語った。

一方、高木都代表は、公明党が結党以来掲げる、「大衆とともに」との立党精神に触れ、「言葉は違うが(都民ファーストという)考え方は同じ方向であり、協力しながら取り組みたい」と力説した。

公明党はこれに先立つ中央幹事会で、党都本部による都民ファーストの会などの19氏の推薦を承認した。

公明新聞:2017年5月12日付