公明党の中島よしお東京都議(都議選予定候補=北多摩3区)と平野充・調布市議はこのほど、同市内の児童養護施設「調布学園」(遠田滋園長)と「第二調布学園」(石井義久園長)を訪れ、市が今年度から実施している施設退所者の自立支援事業について関係者と意見交換した。
■住居確保し家賃補助 世話人が寄り添い孤立防ぐ
児童虐待などの理由で養護を必要とする人が利用する児童養護施設は、原則18歳で退所することになっているが、慣れない社会生活の中で退所者は生活困窮に陥ったり、孤立してしまう傾向にある。
調布市は、こうした課題を踏まえ、退所者の社会的自立を後押しするため、住居支援と相談支援を柱にした「ステップアップホーム事業」を実施している。
住居支援は、児童養護施設が市内にあるアパートの部屋を借り上げて、市が住居費を補助する仕組み。施設が法人として賃貸契約を結ぶことで、退所者が身寄りのない中で保証人のめどを付けるなどの難しい課題を解消する。
家賃が月5万3000円までの物件なら、就労した場合は月2万円、進学した場合は月1万円(入居2年目以降は月2万円)の自己負担で済み、共益費は5000円まで、礼金と仲介手数料は合わせて3カ月分まで補助する。
特に必要とされる相談支援については、児童養護施設が施設職員OBや教員OBなどを世話人として配置。退所者のために定期的に対人関係や健康管理、金銭管理など日常生活の相談に乗り、アドバイスを行って孤立を防ぐようにする。
支援期間は、進学者が最長4年、就労者が最長2年で、里親から自立した人も同様の支援が受けられる。
市子ども政策課によると、市町村が独自にこうした事業を実施するのは多摩地域初で、徳永孝正課長は、「市内で退所者の生活が安定するように支援したい」と話す。
意見交換の中で第二調布学園の石井園長は、「施設の子どもたちは親に頼れない中で自立を求められるので、退所後のサポートが大事になる」と強調していた。
■市議会公明党が一貫して推進
施設退所者に対する支援については、市議会公明党が一貫して推進。2016年12月定例会では平野議員が、住まいの確保や自立した生活の安定に向けた具体策をただし、市から一体的な支援を検討する意向を引き出していた。
視察を終えた中島都議は、「施設で暮らす子どもたちが未来に希望を持てるよう、市議と連携しながら必要な支援策を推進していきたい」と語っていた。
公明新聞:2017年5月16日付
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