誰もが暮らしやすい社会の実現へ、伊藤都議(中)、浜田氏(左)に期待を寄せる平山さん=都内

障がいのある人が携帯し、災害時などに緊急連絡先や必要な支援内容を周囲に伝える「ヘルプカード」。都議会公明党の提案で東京都が標準様式を定めたことを契機に、作製する市区町村は都内のみならず全国に広がっている。そうした中で政府は3月22日、同カードに付いたヘルプマークを、案内用図記号を規定する国内規格(JIS)に今年7月から追加する方針を公表。安倍晋三首相も国会答弁でヘルプカード・マークについて「大変意義がある」と述べ、一層の普及を図る考えを示している。

この答弁は、3月24日の参院予算委員会で公明党の浜田昌良参院議員が引き出したものだ。その報告を受けた、東京都品川区在住の平山淳子さんは、「本当に素晴らしいことです」と、声を弾ませた。

「思いを形にしてくれた!」 一人の声を受け都議会公明党が奔走

公明党がヘルプカードの普及に取り組むきっかけとなったのは、2009年の春。街頭演説していた公明党の伊藤こういち都議(都議選予定候補=品川区)に、自閉症の子どもがいる平山さんが声を掛けたことだった。

「私の子どもが一人で社会参加できるようになった時、災害や事故に遭遇しても周囲の人が支援の手を差し伸べてくれるような東京をつくってほしい」。

伊藤都議は、平山さんの思いを真っすぐに受け止め、その年の9月の都議会定例会で、カードの共通化を提案。11年2月にも都議会で取り上げたが、都の対応は前向きではなかった。

翌月、東日本大震災が発生。混乱の中、家に帰れない障がい者が続出した。そこで、伊藤都議らが再三の要請を行い、ついに都が方針を転換。12年10月に標準様式を定め、それを活用してカードを作製する都内の市区町村に対する財政支援も決めた。その結果、都によると、17年3月までにヘルプカードを作製する自治体は都内52市区町村に拡大。この動きは東京都外でも、少なくとも4県と、18道府県の44市町へと広がっていった。

「公明党は、私たちの思いを形にしてくれた」と、うれしそうに語る平山さん。伊藤都議は「誰もが支援を求めることができ、支援を求められなくても、そっと声を掛けてあげられる『心のバリアフリー』の社会をつくるため、全力を挙げる」と力強く語った。

公明新聞:2017年4月28日付