発災から1年を迎えた熊本地震。被災者を取り巻く課題や創造的復興への取り組みなど、蒲島郁夫・熊本県知事の談話を紹介する。
■創造的復興、加速させる 公明は温かく頼もしい存在
熊本地震から1年がたち、被災された方々にとって、仮設住宅後の住まいの再建・確保が課題だ。災害救助法などで仮設住宅の供与期限は原則2年と定められており、今後の住まいの確保に不安を抱える被災者もいる。低廉で耐震性に優れた「くまもと型復興住宅」による自立再建の後押しや、市町村と連携して災害公営住宅の整備を進めるなど、被災者の将来への希望につながる選択肢を提供していきたい。
私は、仮設住宅の供与期限が過ぎても強制的に退去させるようなことがないよう、被災者の状況に応じて、期限の延長について国と協議していく。私の今の任期である2020年4月までに、仮設住宅の全ての入居者が新たな住まいに移れるよう、全力で取り組んでいく決意だ。
こうした住まいの再建を含め、私は創造的復興への「重点10項目」を掲げている。益城町の復興まちづくりや、阿蘇くまもと空港とその周辺地域の「大空港構想」の推進、八代港のクルーズ拠点整備など、将来的な熊本の発展や“復興のシンボル”となる事業の目標・進捗状況を県民と共有しながら、復旧・復興全体を加速させていきたい。
発災直後から私は、政府・与党に対し、躊躇なく復旧・復興に取り組めるよう、財政負担の最小化を求めてきた。国庫補助制度の創設や補助率のかさ上げ、復興基金創設のための特別交付税の別枠措置など、政府・与党が迅速かつ手厚い財政支援を行ってくださったことに感謝している。復興予算は国民の血税であることから、熊本の復旧・復興のために無駄なく、賢く使わせていただきたい。今後、国内で起こり得る大規模災害を見据え、こうした支援の常設化や法整備も必要ではないか。
発災から1年が経過し、これまで以上に被災者の実情に寄り添った政治が求められる。それが一番できるのは、弱者への温かなまなざしを持つ公明党だ。政権与党の中で確固たる仕事を成し遂げており、行動力のある政治家がそろっている。われわれにとって頼もしい存在だ。
実際、石井啓一国土交通相(公明党)は、いち早く国道57号や阿蘇大橋などの復旧工事を国の直轄事業として代行することを決めてくださった。迅速な復旧工事により、俵山トンネルルートが予想を上回るスピードで昨年12月に暫定開通し、県民の大きな励みになっている。
われわれが望む「弱者のために」との政治哲学を持ち、政権与党における実力も兼ね備えた公明党が、素早く熊本地震に対応してくれたことがありがたかった。今後も公明党の持ち味を存分に発揮してもらいたい。(談)
公明新聞:2017年4月14日付