■改正母子保健法が4月施行 設置へ自治体に努力義務
妊娠期から子育て期にわたる多様なニーズに対応する子育て世代包括支援センター(日本版ネウボラ)の設置拡大が前進する。4月1日には包括支援センターを法律上に位置付ける改正母子保健法(昨年5月成立)が施行され、政府も2017年度、市区町村による立ち上げに向けた協議会設置などの準備費用への補助を新たに実施する方針だ。
包括支援センターは、妊娠、出産前後、子育ての各ステージに応じ、助産師や保健師などの専門職が、相談支援や助言・指導、情報提供などで母子をサポート。保育所などの子育て支援機関や医療機関との連携の軸となる役割も担う。
公明党の強い主張を受け、政府が「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(14年12月閣議決定)などで20年度末までの全国展開を掲げ、実施自治体への事業費補助などで推進してきた。16年4月現在、296市区町村に720カ所設置されている。
改正母子保健法では、母子への支援体制を強めることが児童虐待の発生を予防する観点も踏まえ、子育て世代包括支援センター(法律上は母子健康包括支援センター)の整備を市町村の努力義務とした。さらに政府は今後、包括支援センターに関するガイドライン策定などを進めていく。
■「ゆりかご・とうきょう事業」 都議会公明が一貫して推進
設置が広がる全国の中でも、東京都の先駆的な取り組みが注目される。15年度から実施する「ゆりかご・とうきょう事業」(東京版ネウボラ)だ。
国のネウボラ事業に沿って、切れ目のない出産・子育て支援を行う市区町村の取り組みを後押しするもので、専門職の配置などを自治体の負担なし(全額補助)で行えるようにする。
都議会公明党が事業スタートから一貫して推進し、豊島や北区、中野区、調布市など32市区町村まで拡大。中野区では、出産前に子育て経験者が相談相手になる産前・産後サポートや、産後ケアを充実。東大和市は新生児の名前の刺しゅうの入ったタオルを贈るなど、ユニークな取り組みも生まれ、多くの子育て世帯から喜ばれている。
都は国の目標を前倒しして、19年度までに全62市区町村で、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援体制の構築をめざしている。
公明新聞:2017年3月27日付
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