東京都議会は1~2日、第1回定例会の本会議を開き、公明党から谷村たかひこ(都議選予定候補=北多摩1区)、中山信行(同=足立区)、大松あきら(同=北区)、遠藤守議員(同=大田区)の各議員が一般質問に立った。

交付金決定の手法で透明化を訴え

谷村議員は、「らい予防法」廃止から昨年で20年の節目を迎えたことを確認。小池百合子知事に対し、ハンセン病患者が強制収容されていた国立療養所「多磨全生園」(東村山市)への訪問を要請。同病への偏見や差別をなくす取り組みの推進を求めた。小池知事は「できるだけ早期に入所者に会い、長年の労苦をねぎらいたい。啓発も行う」と答えた。

市町村総合交付金について谷村議員は、市町村の財源補完制度としての重要性を強調。その上で「透明化した手法で交付額の決定のあり方を構築すべきだ」と主張した。小池知事は「算定の透明化を含め、交付額決定のあり方について検討する」と語った。

防災用備蓄倉庫の管理方法見直せ

中山議員は、都の防災用備蓄倉庫の改善へ、パレット積み化や再包装を進めるべきだと主張。梶原洋福祉保健局長は、毛布や敷物などについて、個々の梱包が大きいなどの課題があり、再梱包など保管方法を検討すると答えた。

また中山議員は、都営住宅の入居要件の緩和や、若年ファミリー向けの募集回数の増加に取り組むよう訴えた。邊見隆士都技監は、入居世帯の収入基準について、同居する子どもの年齢を「現在の小学校就学前までから引き上げることを検討する」と述べ、募集回数の増加や募集戸数の拡大も図る考えを示した。

障がい者選手に配慮した段差解消を

大松議員は、世界の教員が集う「世界教育者サミット」の開催を提案し、同サミット開催に向けて、都が実施する英語科教員の海外派遣事業の報告会を拡充すべきだと訴えた。

続いて大松議員は、来年度、障がい者アスリートが活用できる新施設(北区)の整備が開始されることに言及。同施設の周辺で、選手らに配慮した道路の段差解消などを急ぐよう求めた。西倉鉄也建設局長は「段差の解消や視覚障がい者誘導用ブロックの連続的な設置などのバリアフリー化を実施していく」と答えた。

若いがん患者支援訴え

遠藤議員は、おおむね15~39歳を指す思春期・若年成人(AYA)世代のがん患者について、終末期を迎えて在宅での療養を望んでも、介護保険の適用外のため「家計にゆとりがなければ、その願いはかなわない」と強調。終末期在宅療養の助成などの支援を訴えた。梶原洋福祉保健局長は「支援のあり方を検討していく」と応じた。

性犯罪・性暴力被害者への支援について遠藤議員は、「ワンストップ支援センター」の機能強化を協議する際、有識者に加え、被害者支援や未然防止活動に取り組む民間団体の声も聞くよう求めた。

これに対し、多羅尾光睦総務局長は、民間団体も協議の場に参加してもらい、「施策の充実に生かす」と答えた。

公明新聞:2017年3月2日付、3日付