参院予算委員会は15日、2017年度予算案に関する一般質疑を行った。公明党から若松謙維、竹谷とし子、三浦信祐の各氏が質問に立ち、福島復興に向けた原発災害の避難者支援、小型自家用航空機墜落事故の被害者支援、港湾の国際競争力強化などを訴えた。

福島復興へ生活支援訴え

若松氏は、福島復興に関して、31日に浪江町、川俣町、飯舘村、4月1日に富岡町で、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が放射線量の高い帰還困難区域を除き解除されることに触れ、避難者が古里に“帰りたい”“住みたい”と思えるようにするため、「国の生活支援制度が必要だ」と力説した。その上で、飯舘村で18年4月予定の学校再開の際、村外避難先から通学するためのスクールバス事業に対する財政支援など、避難指示解除後も十分に手当てするよう求めた。

今村雅弘復興相は、避難指示解除が進む地域の住民が安心して帰還できるよう全力で取り組んでいく考えを示すとともに、飯舘村のスクールバス事業に関して「しっかりサポートする」と答えた。

東京・調布市などの小型航空機事故 被害者の救済急げ

竹谷さんは、15年7月に東京都調布市で起きた小型自家用航空機墜落事故に関して、原因究明が難航していることに言及。「事故原因が分からず、いまだに被害者への補償も謝罪もなされていない。あまりにも過酷だ」と指摘した。その上で、再発防止策の推進とともに「事故が起きた場合、調布市の被害者も含め、迅速に補償されるよう(調布飛行場を管理する東京都など)自治体に任せるのではなく、国の取り組みが必要だ」と強調した。

石井啓一国土交通相(公明党)は、「被害者の声を受け止め、救済のために何ができるか、運航者や空港管理者などの関係者と検討したい」と応じた。

竹谷さんは、小型航空機事故に関連してドローン(小型無人機)の事故防止策や事故発生時の補償制度を求めたほか、住宅密集地域で防災上の課題を抱える重層長屋の対策も要請した。

港湾の競争力強化、国の取り組み促す

三浦氏は、港湾が貿易や産業活動、雇用創出を支える役割を果たすなど「国民生活に直結する重要な社会資本だ」と強調。国際的な基幹航路を拡大するため、周辺環境との一体的なインフラ整備を進めることで物流のさらなる効率化を図るなど、港湾の競争力強化に向けた取り組みを促した。

これに対し、石井国交相は「国が前面に立って取り組んでいく」と応じた。

公明新聞:2017年3月16日付