東京都は25日、一般会計で総額6兆9540億円(一般歳出5兆642億円)の2017年度予算原案を発表した。
このうち教育分野では、都議会公明党が強く主張してきた私立高校授業料の実質無償化が実現する。年収約760万円未満の世帯を対象に、都の特別奨学金を拡充し、国の支援金と合わせて都内平均授業料(2016年度)の44万2000円を助成。併せて、入学金などの負担を減らす無利子の入学支度金貸付も、20万円から25万円に引き上げる。
福祉と保健の分野では、一般歳出に占める割合が過去最高を更新し、1兆2017億円を計上。この中で、待機児童の解消へ保育士の処遇を改善。保育士1人当たりの賃金補助(月額)を2万1000円上乗せし、4万4000円相当に倍増する。さらに、難病相談・支援センター事業を拡充し、多摩地域(府中市)に相談場所を新設する。
また、バリアフリーの観点から、公立小・中学校や都立公園、都営地下鉄駅などでトイレの洋式化を進める。そのための予算を前年度(8億円)から大幅に増額して38億円に。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、鉄道駅のホームドアやエレベーターの整備を加速する。高齢者や障がい者など、誰もが安心して生活・移動できるよう歩道の段差解消など道路のバリアフリー化を推進。所要額として前年度の74億円から130億円に増やした。
中小企業対策では、成長産業分野への参入促進のため、IoT(モノのインターネット)技術の導入など技術開発支援に取り組む。
防災・減災対策では、電線を地中に埋めて電柱をなくす「無電柱化」の取り組みを強化。女性の視点に立った防災ブックの作成に向け、女性スペシャリストによる編集会議を立ち上げるなど、新たな取り組みも進める。豪雨対策の予算は674億円から761億円に、津波・高潮対策は546億円から611億円にそれぞれ増額した。
同日示された予算原案について都議会公明党の東村くにひろ幹事長(都議選予定候補=八王子市)は、私立高校授業料の実質無償化や、保育士の処遇改善、公立学校のトイレ洋式化など、「公明党の政策提言や要望が随所に反映されており、高く評価する」と語った。
公明新聞:2017年1月26日付