東京都議会公明党の推進で、都のがん対策は全国トップクラスです。目前に迫った都議選では、都立病院への最先端医療機器の整備、受動喫煙防止条例の制定などを掲げ、さらなる充実をめざしています。そこで、医療体制の強化、がん患者の就労支援など、都議会公明党がリードしてきた具体的な成果を紹介します。
■拠点病院36カ所整備
☆緩和ケアなど充実 死亡率は10年で17%減
質の高いがん医療を提供する拠点病院は現在、国と都の指定病院を合わせて都内36カ所に広がっています。
中でも、都の中核施設と位置付けられている都立駒込病院(文京区)には、放射線を患部にピンポイントで当てる「サイバーナイフ」など、高精度の放射線治療装置3台を2011年度に全国で初めて導入。年間で延べ約1万人の患者が治療を受けています。
また、全ての拠点病院には「がん相談支援センター」が設置されており、患者や家族らの相談に無料で応じています。このうち、日本医科大学付属病院(文京区)では休日も対応し、東邦大学医療センター大森病院(大田区)と帝京大学医学部付属病院(板橋区)は夜間(曜日限定)も応じています。
がんの痛みやつらさを和らげる緩和ケアの普及へ、がん診療に携わる医師を対象に研修会を開き、これまでに1万1957人(16年度末)の医師が修了しました。患者の生活の質を高めるために、治療現場でのさらなる普及をめざしています。
こうした取り組みによって、都の75歳未満のがん死亡率は、05年の人口10万人当たり93.9人から15年には77.9人となり、05年を基準とすると10年間で17%減少しています。
■小児、AYA世代 支える
☆診断ハンドブック全国に周知
小児がんは、成人と比べて専門的な医療機関でないと診断や治療が難しいとされています。そこで都議会公明党は、小児がん対策の強化を一貫してリード。都内13カ所の病院に専門医の配置も実現させました。
さらに都は15年1月、小児がんを診断する際のポイントを記載した「診断ハンドブック」を作成し、地域の病院や診療所などに1万7000部を配布。同ハンドブックによって専門医の診断につながるなど、早期発見や治療の向上に役立っています。
今月6日の参院厚生労働委員会では、公明党の山本香苗さんの質問に対し、厚労省側は都の診断ハンドブックが非常に有用として、「都と相談しながら全国の一般小児科への周知に努めたい」と答弁しました。
一方、他党に先駆け、思春期から若年成人を指すAYA世代のがん患者支援を訴えているのが公明党です。都は17年度中に策定する次期がん対策推進計画で、患者支援を初めて明記する方針です。
■就労支援へ助成制度
☆がん教育普及めざし協議会
医療の進歩によって、働きながら通院治療するがん患者が増えています。そこで都は14年度に、治療と仕事の両立支援に取り組む企業を表彰する制度を創設。16年度までに25社が表彰されています。
また今年6月からは、がん患者の就労や職場復帰に配慮する企業への助成制度(就業支援事業)を、都道府県で初めて導入しました。具体的には、がん患者らを新たに採用し、6カ月以上の雇用を続けた場合に1人当たり最大60万円の奨励金を支給。また、治療のために休職した従業員の復職を支援し、その後6カ月以上の雇用を継続した場合に1人当たり30万円を助成します。
女性特有のがん対策では、東京都がん検診センター(府中市)にデジタルマンモグラフィーを搭載した乳がん検診車を導入し、より細部にわたる画像分析が可能となりました。同センターが行う日帰りがんドックのコースのうち、子宮がん検診も拡充されています。
また都は、がん教育にも力を入れています。教育を受けた子どもが保護者に検診を勧めることにつながり、受診率の向上も期待されます。都は6月中に専門医と医師会、学校、行政関係者らでつくる「がん教育推進協議会」を設置。今後、学校でのがん教育の普及をめざします。
公明新聞:2017年6月14日付