東京都は16日、私立高校に通う生徒のいる家庭の経済的負担を軽減するため、2017年度から世帯年収約760万円(目安)未満の世帯の授業料負担を実質無償とすることを決めた。高校授業料の公私立間格差の是正が狙い。小池百合子知事が記者団に明らかにした。入学支度金貸付事業(無利子)の貸付額も20万円から25万円に引き上げるとして、合わせて来年度予算案に80億円が計上される。
都立高校授業料が年間11万8800円(16年度)であるのに対し、都内の私立高校の平均授業料は年間44万2000円(同年度)に上る。現在、都は私立高校について年収910万円(目安)未満の世帯を対象に、国の就学支援金(所得制限あり)に加え、世帯年収に応じて上乗せされる都独自の授業料軽減助成金(特別奨学金、所得制限あり)を実施している。
都は17年度から、都の助成金を増額することで、世帯年収約760万円(目安)未満の世帯が、国の就学支援金と合わせて計44万2000円を受け取れるようにする。都によると、対象となる私立高校の生徒は約5万1000人。
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都議会公明党の東村くにひろ幹事長(都議選予定候補=八王子市)は16日、都庁で都の方針について、「公明党の主張を受け止めたもの」と評価した。
その上で「家庭の経済状況によって子どもの教育の機会が奪われてはならない」とし、教育への“投資”の重要性を強調。「今後、世帯年収910万円未満まで引き上げたい」と述べた。
公明新聞:1月17日付