7月2日(日)投票の東京都議会議員選挙は10日後の23日(金)に告示されます。各地で情勢が緊迫する中、公明党の予定候補23氏は懸命の訴えを続けています。都議会公明党への支持拡大のため、対話に役立つ話題をQ&A形式で紹介します。

Q 共産は憲法が争点というが?

A 護憲のふりしたまやかし

共産党は9条改憲を許さないなどと言って、憲法改正を都議選の争点にしています。しかし、憲法改正には国会の発議と、国民投票での過半数の賛成が必要です。都議会で審議できるテーマではありません。

安倍首相が5月に9条改憲に言及したことを捉え、共産党は「戦争法を推進し明文改憲を狙う」などと決めつけ、的外れの批判を繰り返しています。同党は都議選を「自公対共産党」とあおっていますので、政権批判票ほしさのパフォーマンスにほかなりません。

改憲を争点とし、護憲政党のふりをするのなら、共産党には説明すべきことがあります。それは、71年前の現行憲法制定時に、9条を名指しして「一個の空文にすぎない」と大批判し、唯一反対した政党こそが共産党だという事実です。結局、共産党が「護憲」を叫ぶのは選挙目当てのまやかしにすぎません。

Q 大型開発偏重と批判するが?

A 外環道含む予算に共産も賛成

共産党は都政を、福祉切り捨て・大型開発偏重の“逆立ち”都政などと批判しています。

東京外郭環状道路(外環道)の整備を推進する公明党などを攻撃したいようです。しかし、外環道整備に295億円を計上した2017年度の都予算に共産党も「賛成」しています。

外環道整備予算を外すための「組み替え動議」を出したが否決されたなどと言い訳をしていますが、それならば予算に反対すればよかったはずです。

さらに17年度予算には、共産党が前回都議選で反対を明確にした米軍横田基地の軍民共用化の推進、反対運動をあおってきた江戸川区などでのスーパー堤防整備も計上されています。

「反対だけが実績」と言われることを恐れて39年ぶりに予算に賛成したのでしょうが、かえって、従来の主張との食い違いが明らかになっています。

Q 高校無償化は共産の実績?

A 公明が都知事に提案し実現

「公明要望で『私立高無償』」(朝日新聞1月26日付)などとこぞって報じられたのが、2017年度予算に盛り込まれた「私立高校授業料の実質無償化(年収約760万円未満の世帯まで無償化)」です。

小池都知事も「公明党から強い要望があった」(5月5日、調布市内)と明言。公明党が財務当局と交渉をして実現させました。

ところが共産党は性懲りもなく「日本共産党の提案が実ったもの」などと言っています。いくら提案したと言っても、これを共産党の実績とする報道は皆無。これこそが“実績横取り”の何よりの証拠です。

共産党は、認可保育所の定員増も13年に条例案を出し、都有地活用を提言したから実現したかのように宣伝しています。しかし、条例案は共産党以外の全会派が反対。そもそも、都有地活用は公明党の提案で08年に実現しています。

Q テロ対策と条約は無関係?

A 国連が決議で必要性認める

「テロ等準備罪」法案は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)に加盟するために必要な法案です。

しかし、民進、共産など一部野党は、「TOC条約はマフィアなど犯罪組織による資金洗浄などを取り締まるための条約で、テロ対策ではない」などと言って反対しています。

これに対し、岸田外相は国会審議の中で「(条約の起草をする時)テロは間違いなく国際的な組織犯罪に含まれるという議論が行われてきた」との事実を示し、反論しました。

TOC条約が採択された2000年の国連総会では、テロとの関連で条約の重要性が指摘され、14年の国連安全保障理事会の決議でも同様の理由で国連加盟国に対し条約への加盟が推奨されています。

すでに187カ国・地域が加盟し、国連加盟国で未加盟は日本を含め11カ国。主要国では日本だけです。

Q テロ等準備罪で市民を監視?

A 荒唐無稽で非現実的な反対論

「テロ等準備罪」法案が対象にするのは、テロ組織や暴力団などの組織的犯罪集団です。こうした組織と無関係の一般市民は対象になりません。

一部野党は、警察がテロ等準備罪を乱用して一般市民を日常的に監視できるなどと批判しています。

これに対し政府は、テロ等準備罪は電話やメールなどの傍受を認めた通信傍受法の対象でもなく、新たな捜査手法を認めるものでもないと明言しています。

もし警察が一般市民を常時監視するとしたら、どれほどの人員と設備が必要になるのか。これを考えただけでも荒唐無稽で非現実的な「反対のための反対」であることが分かります。

また、警察がテロ等準備罪で逮捕など強制捜査をする場合も一般犯罪と同様に裁判所の令状が必要です。裁判所による厳格なチェックがあるため、警察権の乱用は阻止できます。

Q 実行前の逮捕を批判するが?

A 犯罪の未然防止は世界共通

「テロ等準備罪」法案はテロなど重大犯罪の未然防止が目的です。

これに対し一部野党は、犯罪前の逮捕は慎重であるべきで、計画段階で処罰するテロ等準備罪は、計画の合意という「心のあり方」を処罰する人権侵害の法案だと批判しています。

しかし、刑法などの謀議や陰謀を処罰する法律と違い、テロ等準備罪は「心のあり方」である計画の合意だけでは処罰できません。逮捕するには、計画をした人間が組織的犯罪集団の構成員であること、さらに、逃走経路の下見などの準備行為の実行が必要です。

TOC条約は(1)犯罪集団の活動への「参加」(2)犯罪計画の「合意」―の処罰を加盟条件にしています。参考人として国会に招かれた刑法学者は、「参加」や「合意」という早期の段階で犯罪を阻止する「処罰の早期化」は世界共通の現象だと訴えています。

公明新聞:2017年6月13日付